camell
写真が好きな、あの子の本音。
camell「zines」

STORY
2026.05.25

彼女が選んだ、人生のベストショット

「あの人の、人生のベストショットはどんな1枚なんだろう。」
そんな素朴な興味から始まったこの企画。
ひとりのカメラ女子にフォーカスし、写真のこと、そして人生で撮影した“ベストショット”を紐解いていきます。

2人目は、maruさん。
やわらかな光や、静かな空気感。
どこか物語の途中のような写真を撮る彼女ですが、「自分には、何かを生み出す力なんてない」そう思っていた時期もあったそうです。

誰かと繋がりたくて始めたカメラ。
その時間は、少しずつ「自分自身」と向き合う時間にもなっていきました。
彼女が選んだ“人生のベストショット”には、どんな想いが込められているのでしょうか。


Profile
愛称:maru さん
カメラ歴6年
Instagram@hrn.photogram
note@pekogoma
愛機:FUJIFILM X-S10
レンズ:XF35mm F1.4R、supertakumar 55mm F1.8、XF16mm F1.4R WR

   

誰かと繋がりたくて、カメラを始めた

maruさんが写真を始めたきっかけは、「友達が増えるきっかけになったらいいな」そんな、何気ない気持ちからでした。

最初に「写真って楽しいかも」と思ったのは、カメラならではの“ボケ感”に出会ったとき。携帯では撮れない、やわらかく自然な描写。目の前の景色が少しだけ特別に見えて、ワクワクしたのを今でも覚えているそうです。

そこから少しずつ、写真の世界に惹かれていきました。

自分の想像を形にできること。
同じ場所でも、人によってまったく違う写真になること。
そして、写真を通して人と出会えること。

気づけば、カメラはただの趣味ではなく、生活の一部になっていました。

写真は、自分を表現できるものだった

小さい頃は、絵を描くことが好きだったそうです。

でも、成長するにつれて、「自分には0から何かを生み出す力なんてないのかもしれない」
そんなふうに思うようになっていきました。
模写はできる。でも、“自分の表現”になると分からなくなる。それでも、心のどこかにはずっと、「表現したい」という気持ちだけが残っていたといいます。

そんな彼女にとって、写真は少し特別な存在でした。
うまく言葉にできない感情も、 心が動いた空気も、写真なら、そっと残しておける気がしたから。

気づけば写真は、 “自分らしくいられる場所”になっていました。

光や空気に、心が動く

maruさんが惹かれるのは、カメラや麦わら帽子のような小物たち。
手元や足元。そして、まるで時が止まっているような静かな空気感。

特に好きなのは、春や新緑、秋の季節、そして木漏れ日。
午後から夕方にかけての、少しやさしくなった光にも惹かれるそうです。

光と影が混ざり合う瞬間。
風の匂いまで思い出せそうな景色。
夕方の空に浮かぶ、淡いグラデーション。
そんな何気ない一瞬に心が動き、自然とシャッターを切りたくなると話してくれました。

「すごさ」より、物語を残したい

maruさんは、自分の写真を見た人に、 “何かしらの物語”を感じてもらえたら嬉しいと言います。インパクトのある写真ではなくても、その写真の中に流れている空気や感情を感じてもらえたら。

だからこそ彼女の写真には、どこか「余白」があります。

見る人によって、感じ方が少しずつ違うような。
自分の記憶を重ねたくなるような…。

やわらかい色味の中にある、季節の綺麗さや儚さ。
それが、maruさんらしい写真なのかもしれません。

写真は、自分を見つめる時間

ミラーレス一眼で最初に撮った写真はどんなものか聞いてみると、大学時代の北海道旅行を思い出したそう。さらに遡って、「人生最初に撮った写真は?」と聞いてみると、初めて携帯を持った日に撮影した “部活帰りの田舎の風景” かもしれない、と話してくれました。

何気ない景色なのに、なぜか残しておきたくなる。
その感覚は、昔から変わっていないのかもしれません。

忙しい毎日の中で、写真は「心の支え」でもありました。

自分と向き合える時間。
感情を整理できる時間。
そして、“自分らしさ”を思い出せる時間。

写真はただ撮るためのものではなく、生き方そのものに近い存在になっていったのです。

BEST SHOT

今回maruさんが選んでくれたのは、
カメラの楽しさに気づき始めた頃に、偶然撮れた1枚。

今なら、もっと上手く撮れるのかもしれない。
でも、あの頃みたいに、「ただ純粋に楽しくて撮っていた写真」は、もう撮れない気がすると話してくれました。

ただ純粋に、写真が楽しくて。
夢中でシャッターを切っていた頃。
その時の空気や感情まで閉じ込めたような、大切な1枚。

だからこそ、この写真が“人生のベストショット”なのだそうです。

これからも、写真とともに

これからは、自分の写真をもっと“形”に残していきたいそう。

ZINEを作ったり、
作品としてまとめてみたり。

誰かと繋がりたくて始めたカメラは、
いつの間にか、自分自身を表現するものになっていました。

季節の光や、静かな空気。
ふと心が動いた瞬間を、そっと残していくこと。

maruさんの写真には、「好き」を大切にしながら生きている温度が、やさしく写っていました。

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