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クリエイティブな人たち Vol.4 「フォトグラファー クロカワリュート」

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編集部が見つけた「クリエイティブな人」をインタビュー形式でご紹介していきます。
4回目の今回は、プロカメラマンとしてご活躍されている、クロカワリュートさんにお話を伺いました。作品づくりのこだわりや、撮影機材の違いなど、『クリエイティブなこと』をたっぷりと伺いました。

プロカメラマンというお仕事

編)写真を始めたのはいつ頃ですか? また、きっかけを教えてください。
20歳くらいの頃。当時は彫金を学ぶ専門学生だったので、自分で作った指輪を撮影するためにカメラを購入しました。当時は本当になにもわからなかったので、指輪を撮りたいのに広角レンズを買ってしまい「なんでこんなに指輪が小さく写るんだろう」と困ったのを覚えています。

編)プロカメラマンになったのはいつ頃ですか?
- フリーランスとして独立したのは2019年6月です。仕事として撮り始めたのは3-4年前です。当時はディレクター業をしていて、カメラマンに発注しているうちに「自分でも撮れそうだ」と思い、仕事で撮影をし始めました。

編)お仕事ではどんな写真を撮影していますか?
- 広告を中心に、たまにアーティストやアパレルの撮影があります。人物が9割以上で、ブツ撮りが少しある程度です。スタジオでの撮影がほとんどです。

 

編)使用機材を教えてください。また、機材に対するこだわりなどあれば教えてください!!
- Phase One XF + IQ140をメインに、サブでHasselblad X1DIIとSONY α7RIIIを使っています。スタジオでの人物撮影がほとんどなので、全身カットは50mmあたりを使い、バストアップは90mmあたりをよく使っています。

こだわりとしては、やはり中判センサーのカメラが好きってところでしょうか。フルサイズ機も5000万画素前後の高画素機が増えてきていますが、同じような画素数でも中判センサーの描写は圧倒的にずば抜けています。
愛用しているPhase OneのIQ140というデジタルバックはCCDセンサーなので高感度に弱いためISO50や100しか使い物になりませんが、スタジオではそれくらいの感度しか使いませんし、色の表現や陰影の階調が美しく気に入っています。

編)とてもいい機材を使われているんですね、さすがプロ…!!
プロのカメラマンになって大変なこと、苦労していることなどありますか?

ー 責任が一番大きく感じることです。
広告のお仕事は1案件で見ても営業〜企画〜クリエイティブ〜運用とかなりの人数が関わり、数千万円の全体予算になることが多いですし、その広告における写真の責任もまたとても大きなものです。自身のギャラの何倍もの責任を背負って、現場では関係者数十人に見つめられながらシャッターを切るので責任やプレッシャーをとても感じます。
その分やりがいもあるので楽しいですけども、シャッターひとつがもつ責任の大きさは一生つきまとうものだなと思っています。

編)プロカメラマンになってよかったと思うことはありますか?
ー 僕はフリーランスなので生活すべてが自己判断、自由ということですね。いつご飯を食べようが、いつ遊びに出かけようが自由。仕事をきっちりこなし売上さえあれば、空いた時間は何をしても問題ないというのはフリーランスになってよかったなと思う一番の要因です。
もちろん写真撮影の仕事そのものも大好きなので、好きなことで生活が満ちていて、嫌なことはほとんどないです。唯一あるとしたら経理的な事務作業くらいでしょうか….

作品づくりのこと

編)撮影・現像でのこだわりがあれば教えてください。
-  撮影では現場の雰囲気を大事にしています。良い写真が撮れるのは当たり前として、その上でモデルさんが撮られやすい雰囲気を作れるようテンションを少し上げてコミュニケーションをしたりしていますね。普段はあまりテンションが高い方ではありませんが(笑)
現像では極端な色の変更や演出は避けています。ホワイトバランスは大きく変えず、いじったとしてもニュアンスとしてイエローやブルーに寄せる程度です。
Photoshopでのレタッチはかなり細かいです。これも、何か大きく変えるというよりは細かな補正を積み上げていきます。髪の毛のかかり具合やアホ毛の処理、肌の質感の調整をなるべくナチュラルに。その上で、装飾として合成することも多いです。人物の背景色を変えたりデザイン要素を入れたりはガッツリやります。全体として、写真としての処理はナチュラルに、デザインとしての処理は大胆に行っています。 

編)撮影のアイディアはどのように出てくるのでしょうか。
- 僕はSNSでのアウトプットが主でSNSを通じてお仕事頂く機会がとても多いのですが、インプットはSNS意外で行っています。海外の広告やイラスト、アニメや映画などを好んで見ます。インプットするぞ〜って見てるというよりは、日々見てるものが自然と脳内にストックされていくイメージです。目的や商材や写真の使い方に合わせて脳内にストックされたアイディアをかけ合わせていきます。

 

編)趣味ではどんな写真を撮影していますか?
ー 趣味ではほぼ撮影していないです。作品撮りなどはしますが、趣味というよりは仕事の延長線にあります。
仕事で撮れる幅を増やすためや、自身のプロモーションとして作品撮りをしているので、趣味っぽい写真は撮らないですね。
でももう少し時間に余裕ができたら、仕事と関係ない日常写真とか撮りたいです。

カメラのこと

編)名だたる高級カメラを使用されていますが、ハッセルブラッド、ライカ、その他メーカーの描写の違いなどを詳しく教えていただけると嬉しいです。
そうですね、好きで色々カメラを買って使っていますが….
Phase Oneはスタジオや風景に特化した、じっくり撮れるカメラです。ずっしり重く、カメラ本体も金額も大きなカメラですが、質感も描写も最高峰と言っていいと思います。絵的には、ナチュラルで正しい色をしっかりと出してくれる印象です。RawデータをCapture Oneに読み込んだ時点ですでに絵ができあがっていますね。普通なのにすごくいい写真という一番むずかしい表現をしっかり出してくれるいいカメラです。

HasselbladはPhase Oneと並ぶ中判サイズのカメラを主に作っていますが性格は真逆と思ってます。Rawデータは色も階調も浅めで「どうぞご自由に編集してください」といったメッセージ性があります。いじりやすいデータになっているんです。XCDシリーズのレンズは設計も新しく、かなりクリアな写真が撮れます。ものすごくヌケが良い、とても現代的なレンズです。現代的と言ってもデジタル臭さは薄く、リアリティの高い写りになっています。
中判デジタルカメラで言うとFUJIFILMのGFXシリーズは今は手放してしまいましたが1年近く使っていました。非常によく写る、デジタル時代の高級機って印象です。シャープが強い写りですが、データの編集耐性もかなりあるので柔らかくも硬くもできます。中判デジタルカメラの中では比較的安価にボディもレンズも購入できるのでコストパフォーマンスがかなり高いのが魅力的です。

Leicaは撮ったままの絵が本当にライカっぽいといいますか(笑)
若干イエローやグリーンが薄く乗った、ネガフィルムを少し思い出すような写りです。とはいえ、過剰ではないので編集耐性もしっかりあるデータが撮れます。なのでライカっぽさをどこまで残すか、活かすか悩むカメラでもありますね笑

編)カメラ女子に今オススメのカメラを教えてください。
ー ちょっと手が出しにくいかもしれませんが、ライカのカメラをおすすめします。Leica M10は見た目もかわいいしサイズもそんなに大きくなく重すぎないので、首や肩からぶら下げててもそんなに疲れないと思います。
オートフォーカスが使えないのでマニュアルフォーカスで撮ることになりますが、写真の一歩深い世界に入り込めるので楽しいと思います。
ネックなのは金額ですが、一生モノのカメラと思えばアリかもしれません(デジタル製品なので一生使うのは難しいかもしれませんが)

その他のこと

編)クロカワさんといえば、TwitterやInstagramが人気ですよね!SNSでのバズり方があれば教えていただきたいです(笑)
バズり方は僕も知りたいですね(笑) ただ、そのバズが何につながるかをしっかり考えるのは大事だと思います。 僕の場合は仕事がすべてに優先されるので、写真にたくさんの反応がいただけてもその写真が仕事につながらないようでは無意味です。 「こういう写真が撮れますよ」「こういう写真、広告で使えそうですよね」というような狙いといいますか。 とはいえ、好きでもない写真を撮っているわけでもないので、自分の好きな写真と見た人が素敵と思う写真の交点を探っています。 

編)プロカメラマンを目指している人に何かアドバイスやメッセージなどありますか?
ー 売れる人・売れない人がはっきり分かれる厳しい世界だなと思います。

どこまで行っても「自分の好きと社会の需要の交点を探し続けること」が大事なんだと思います。自分自分になりすぎてもだめですし、自分以外のなにかに合わせ続けても突き抜けられません。
考えることと撮ることををやめず、粘り強くやっていきましょう。
僕も頑張っている最中です!

クロカワリュートさん、インタビューにお答えいただきありがとうございました。カメラのお話とても興味深かったです!
クロカワリュート さんの作品をもっと見たい方は、インスタグラムもチェックしてみてくださいね。

PROFILE

クロカワリュート
フリーランスフォトグラファー
1985年生まれ/東京出身
主に広告・ファッション・アーティストなどを撮影
愛用しているカメラ:Phase One XF, Hasselblad X1DII-50C etc…
ご相談・ご依頼は DM or kurokawa.ryuto@gmail.com まで

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