名古屋の梅スポット、delaふぁーむへ。梅に満たされる春のはじまり
2月も半ばに差しかかると、梅の花を見かけるようになる。梅の花を見かけると、delaふぁーむで思いっきり梅の香りと色に満たされたくなる。ということで、公式X(エックス)や公式サイトの梅の開花状況を確認し、delaふぁーむへ向かった。
名古屋市農業センター delaふぁーむは、このあたりでは梅の名所として有名だ。地下鉄鶴舞線平針駅から市バスで5分ちょっと、農業センター北のバス停から歩いて5分ほどで着く。しだれ梅祭り期間の土日祝日は臨時バスも出ているので安心だ。
入園無料なのでそのまま門を抜けると、右手には農産物販売所が見えてくる。なご八(はち)市場という、「なごや」と市章の㊇をかけたとても名古屋らしいネーミングだ。delaふぁーむという愛称からして名古屋弁に由来しているのだけど。
なご八市場を奥へ進み、右手に折れると目の前に紅梅が飛び込んでくる。そこには一面にしだれ梅の梅林が広がっていた。
この日は五分咲きということだったけど、それでも梅は見事に咲き誇っていた。青空とのコントラストが早春の空気の中でどこまでも鮮やかで、眩しいくらいだった。深呼吸すると、梅の香りが体いっぱいに満たされていく。
もちろん白梅もある。白梅もまた、紅梅とはまったく違う存在感を放ちながら咲いていた。白梅のたたずまいに、思わずすっと目線を引き寄せられる。
梅林の道は整備されていて、ベビーカーを引いた家族や車椅子を引いた家族を何組も見かけた。大きなレンズに三脚でじっくりと梅を撮っている人もいた。梅の前で、お互いの写真を撮り合うカップルもいた。それぞれがそれぞれに、梅の花を楽しむ時間がゆるゆると流れていた。

梅ではないけど蝋梅の林もあり、梅とはまったく違う甘さの香りを楽しむことができた。
今回撮りながら、明暗を活かして撮るといいのかも、ということに気がついた。影を背景に梅を撮ると、カメラのモニターにぽっと花が浮かび上がった。それが楽しくて、どんどん影を探してはシャッターを切った。
写真を見返してみて、Googleフォトで★をつけた写真の多くは、背景の影に浮かぶ梅の写真だった。梅を撮るとき、明るいところや空だけでなく、あえて暗く影になっているところを探してみると、また違った梅の魅力を引き出せると思う。

タイミングによっては上空を飛行機が飛ぶこともある。この日見かけたのは紅梅のようなカラーリングのフジドリームエアラインズだった。FDAは機体がカラフルなので、つい機体の色を確認したくなってしまう。

梅に心身を満たされたあと、門を挟んで左手側の牧場に向かう。少し難易度の高い顔はめパネルを見た。delaふぁーむでで実際に育てられている野菜やひよこがパネルになっている。
牧場には大人の牛も仔牛もいた。大人の牛は芝生の上にのんびりと寝そべって牧草を反芻していて、名古屋市内にもこういう場所があるんだなぁと思うほどにのどかだった。仔牛たちはひっきりなしにお互いにちょっかいをかけあって遊んでいて、ずっと見ていたくなる様子だった。
園内の小高い場所にあるカフェでジェラートを食べる。西尾抹茶や蒲郡みかん、岡崎のほうじ茶などの愛知の素材を使ったジェラートが食べられるお店で、わたしはdelaふぁーむの牛乳のジェラートにした。とっても濃厚でミルクの甘みがふくよかだった。つれあいはしだれ梅まつり限定の餅づつみジェラートを食べていた。店内がいっぱいでも、テラスに出ればスタンディングで食べられるテーブルがあって、わたしたちは園内を見下ろしながらジェラートを食べた。

鶏のエリアに行くと、孵卵器から孵ったばかりのヒナがいた。漫画『動物のお医者さん』で見たやつだ!と嬉しくなる。大人の鶏ももちろんいて、立派な名古屋コーチンや白色レグホン、ウズラなどの鶏がいた。名古屋コーチンは金網にブロックされてしまってうまく撮れなかったのでまたリベンジしたい。こんなに近い距離で名古屋コーチンを見たのは初めてだった。堂々たる姿であった。

delaふぁーむは、ゆったりと時間が流れる場所だった。いるだけでわたしの心もほどけていくような、そんな場所。名古屋駅から1時間もかからないほどの場所に、溢れんばかりの梅林があって、野菜畑があって、牛と鶏が暮らしている。帰りのバス停まで歩きながら、つれあいと「いい日だったね」と言い合った。
delaふぁーむで過ごした早春の一日を思い出すと、鼻先によみがえる梅の香りとともに、今でも少し心がゆるむ感覚がある。あの一日は、とてもいい一日だったな。





