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オトナ写真部「カメル」

STORY
2021.04.26

ポケットにも入る! コンパクトなフィルムカムラ『FUJIFILM TIARA Ⅱ』レビュー

このたび、フィルムカメラデビューしました!! どんなカメラにするかとても迷いましたが、「デジタルカメラと併用したい」と思い、サイズも小さく持ち歩きやすい、コンパクトカメラの『FUJIFILM TIARA Ⅱ』に決めました。

FUJIFILM TIARA Ⅱ

FUJIFILMといえば、過去のフィルムカメラレビューでも取り上げられていた『NATURA CLASSICA』や『KLASSE』が人気です。ただ、両者とも現在の中古の販売相場価格は6万前後です。同じくコンパクトカメラで人気の『CONTAX T2』や『MINOLTA TC1』よりは安いですが、気軽には手が出しづらい値段ですよね。そこで、もう少し価格帯を落としつつ、コンパクトさと描写のシャープさで定評がある、こちらの機種を購入することにしました。
今回記事に載せている写真はすべて、『TIARA Ⅱ』で撮った初めてのフィルム写真から選定しました。フォーカスが甘かったり、構図もまだまだですが、初めてでもこんな写真が撮れるんだと参考になれば幸いです。フィルムはクセのない富士フイルムの業務用フィルムISO100を使用し、このフィルムの風合いがわかるように現像は補正なしにしています。

コンパクトで軽量なサイズ感

今回レビューするのはTIARAシリーズの最上位機種 TIARA Ⅱ。TIARAシリーズ初代『CARDIA mini TIARA』は、高級感漂うアルミの質感とコンパクトなモデルで当時の女性たちに人気で、写真家の植田正治さんも持ち歩いていたコンパクトカメラです。その後、ZOOMレンズを採用している『TIARA ZOOM』、CARDIA mini TIARAの機能が一部改善された後継機として、TIARA Ⅱが発売されました。

このTIARA Ⅱの特徴はなんといってもこのサイズ。コンパクトフィルムカメラの中でもかなりサイズの小さい機種です。横99.8x縦60x奥行31.5 mm、重量155gというコンパクトサイズ、少し厚みのある名刺ケースくらいで、すっとポケットに入れて持ち歩けるような身軽さです。レンズはカメラ内に収納されていて、手前のレンズカバーを横にずらすと自動でレンズが出てきます。このレンズカバーが電源になっている点がかっこよくて私はかなり興奮しました(笑)

ボディ背面にはデート機能やフラッシュ、フォーカスなどのボタンがあります。デート機能の表示可能年は2025年までとなっていますが、和暦で08年から数えればまだまだ使えそうです。フラッシュ機能は、赤目防止・発光禁止・逆光補正・夜景モードから選べます。逆光補正は+2EVまで使えます。通常モードがフラッシュ発光となっていますので、フラッシュを使いたくない場合などは操作が必要です。フォーカスは、遠景・SNAP・目測でのマニュアルフォーカス(0.35m〜10.0m)を選べますが、オートフォーカスなのでそのまま撮影可能!手前のレンズカバーをずらして、フラッシュモードを確認したら、シャッターを押すだけで写真が撮れるので、初心者でも簡単に撮影できます。

フィルムを入れる箇所はこんな感じ。「えっ、こんな少ししか開かないの?」と思われるかもしれませんが、全自動装填のためこの隙間からフィルムを入れて閉じるだけなので十分なんです。フィルムカメラ初心者のわたしでも簡単にフィルムをセットすることができました。ここで、ポイント。この機種は「撮影されたフィルムが順次『パトローネ』(フィルムが入っている金属のケース)にしまわれていく」という『ドロップインローディング』というシステムが採用されています。(※多くは撮影の度にフィルムを引っ張り出し撮影し、フィルムを使い終わったらパトローネに巻き戻す方式)
初心者にありがちな、フィルム室を途中で開けてしまうミスをしても、撮った写真は感光することなく現像できるので安心です。

広角28mmでスナップ向き

レンズの画角はやや広角の28mm。写したい景色と被写体が、すっとおさまるこの画角はスナップに最適です。

ちょっと寄りたい花壇のお花から、お散歩時の風景写真や人物撮影まで幅広くこなします。28mmの画角とポケットに入るコンパクトさにより、どこにでも持っていきたくなりますね。

お散歩していたら、川で放水が始まりました。人物もちょうどいい位置にいたので、思わずパシャリ。

ピントは風景の方に合ってしまいましたが、横断歩道を渡りながらの撮影。ピントが思うように合っていなくても、愛着の湧く写真になるのは、1枚1枚を大事に撮影している、フィルムカメラの魅力ですね。

SUPER EBC FUJINON F3.5 単焦点レンズ

TIARA Ⅱはフジフィルムの誇る『SUPER EBC FUJINON』F3.5を搭載したカメラです。画質の良さの定評のあるフジノンレンズを搭載している点は、初めてのフィルムカメラ選びの際に安心感がありました。F3.5なのでとても明るいレンズとは言えませんが、単焦点レンズということもあり描写がきれいで、ある程度はボケを感じることができます。こちらの写真はフラッシュや露出補正なしで、自然光のみで撮影しています。暗い室内なのにしっかり写っているのはF3.5のうれしいポイントです。

試しにフラッシュをたいて撮ってみました。このカメラは、フラッシュの位置に指などの障害物があると、赤くランプが光って警告してくれるようになっているので失敗することがありません。

背景が暗めのため髪の黒とかぶって少しわかりづらいですが、被写体にしっかりピントが合い、背景が優しくボケています。

フジフイルムらしい、コントラストが強めで色鮮やかな写真。バッチっとピントが合ったときのレンズの描写はとてもきれいで、フィルムカメラってこんなにきれいに撮れるのかと、大満足です。

作例紹介

こちらの写真は、角度は違いますが同じ被写体を、晴れの日と曇りの日で撮影したものです。やはりフィルムで撮影した空の青はとてもきれいですね。光で透けた藤の葉もすてきに写っています。

こちらは曇りの日の藤の花。空はグレーでどんよりしていますが、全体的なマットな色合いはおしゃれに感じます。

空を仰ぐチューリップの写真。レンズをのかず、花の下にカメラを持ってきてラフに撮影しましたが、チューリップが前ボケでいいかんじです。雲がない青空の方が理想的だったかな。

ちょうど真上を飛んでいた鳥を撮影。いつでも持ち歩け、オートフォーカスのコンパクトカメラだからこそ、このような突然の出会いでも撮影が可能になります。

暗めの室内でカーテンの中にいるベビーを撮影。ちゃんと写っているか心配でしたが、かなり思い通りに写っていて感動しました。オートフォーカスの精度はなかなかよいと実感しました。

まとめ


いかがでしたか?初めてのフィルムカメラでの撮影だったので、ピントが甘かったりブレてしまった写真もありましたが、現像した写真は想像以上によく撮れていました。フィルムカメラ初心者の私でも簡単に扱え、暗くて何を撮ったかわからない写真は一切なかったことから、初心者におすすめできるカメラなのではないかと思います。そして、そのコンパクトさにより、愛用していたミラーレスカメラよりカバンに入れて持ち歩く機会が多くなりました。フィルムカメラでよく言われる、現像するまでのわくわく感やフィルムならではの独特の色味を体感でき、もっとフィルムカメラで写真を撮ってみたいと思いました。

今回ご紹介した、TIARA Ⅱや初代のCARDIA mini TIARAは値段も高すぎず、中古も多く出回っている方かと思います。(※手軽なコンパクトカメラは電気式なので、ぜひ状態の良いものを見つけてくださいね)この記事が、これからフィルムカメラを始めたい方の参考になれば嬉しいです。

編集/カメラガールズEditors かっちゃん(Instagram

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