camell
女性限定
オトナ写真部「カメル」

STORY
2025.06.23

「フィルムカメラは高いが、価値がある。」フィルムカメラ入門ガイド2025

どれだけデジタルで頑張っても、“あの空気感”はフィルムじゃないと出せない。
光がフィルムにじんわり焼きついて、色がにじむように出る。
一枚の写真から、音や匂いまでよみがえってくる感じ。
フィルムって、そういう「記憶に近い表現」ができるんです。
ちょっと高い。ちょっと不便。だけど、それ以上に楽しい。
この記事では、はじめてフィルムカメラに挑戦する方に向けて、選び方や使い方のポイントをやさしく解説してみたいと思います!

まず最初に:フィルムは“体験代”だと思ってみて

フィルムって、1本撮るのにだいたい2,000〜3,000円くらいかかります(フィルム+現像+スキャン代含めて)。デジタルみたいに「とにかくいっぱい撮る!」って使い方は向いていません。でもその分、「1枚ずつ、ちゃんと撮る」っていう気持ちが自然と生まれるんです。

おすすめは、月に1本だけ撮る、という“マイルール”を作ること。月額の体験費ととらえると、そんなに高い金額ではありません。それだけで、フィルム生活がグッと心地よくなります。

初心者におすすめのフィルム:KodakとFujifilm、どっちがいい?

フィルムにも、いろんな個性があります。
初心者におすすめなのは、まずは“素直な色”が出るフィルム。

Kodak Portra 400
→ 肌がきれいに写って、やわらかくてあたたかい色味。ポートレートや日常スナップにぴったり。


Kodak Ultramax 400
→ 少しリーズナブル。明るくて元気な色合い。はじめての1本にもおすすめ。


Fujifilmのフィルム(業務用100やC200など)
→ 緑や青がパキッと鮮やか。クールな色味が好きな人に向いています。

CineStillとか、Lomography系の個性派フィルムもあるけど、最初は「ふつうにきれいに写る」ほうが楽しめます。
クセ強フィルムは、2本目・3本目以降の楽しみに。

カメラ選びは「ピント合わせ」と「露出操作」がポイント

フィルムカメラにはたくさん種類があるけれど、選ぶときは「どれくらい自分で操作したいか?」が大きな分かれ道です。


(1)ピントまでオート(全自動カメラ)

ピントも明るさ(露出)もカメラがぜんぶやってくれるタイプ。まさに“写ルンです”みたいな手軽さで、とにかく簡単。ほぼ失敗なく撮れるけど、背景ボケとかの調整はしにくいのが難点。でも「とにかく続けたい」「難しい操作は苦手」って人には最高のスタート機。
おすすめ機種:
FUJIFILM Klasse
Olympus mju-ii
Konica Big Mini
Nikon 35Ti
Canon Autoboyシリーズ
Canon EOS 1v(一眼レフだけどフルオート)
Pentax MZ-3Minolta α-7

FUJIFILM Klasse


(2)ピントは手動、露出はオート(半自動カメラ)

ピントは自分で合わせて、明るさはカメラが調整してくれるタイプ。撮ってる感じが出てきて、「写真をしてる!」って感覚が湧いてきます。撮る感覚が気持ちいいのに、そこまで難しくない。私もこのタイプを愛用しています。特にCanon AE-1 Programはレンズも含めコスパが良くておすすめです!

おすすめ機種:
Canon AE-1 Program
Nikon FE2
Olympus OM-2
Minolta X-700
Pentax ME Super
Contax Aria
Contax G1 / G2(オートフォーカスのレンジファインダー)

Canon AE-1 Program


フルマニュアル(完全手動カメラ)

ピントも明るさも、ぜーんぶ自分で調整。慣れるまではちょっと大変。でもハマると、もう抜け出せません。フィルム写真を“道具として味わいたい人”に。「撮るってこういうことか〜」って、しみじみ楽しくなってきます。

おすすめ機種:
Rollei 35
Leica M3 / M6
Nikon FM2
Pentax Spotmatic
Hasselblad 500C/M
Rolleiflex(二眼レフ)
Canon P(レンジファインダー)
Zorki 4(ロシアのクラシックカメラ)

Rolleiflex 3.5F

安いカメラでも大丈夫。それよりも“現像するお店”にこだわろう

正直なところ、フィルムはカメラやレンズよりも、お店選びが重要だなと思っています。
初心者さんが意外と迷うのが、「どこでカメラを買って、どこで現像するか?」問題。同じフィルムを使っても、お店によって仕上がりの雰囲気がぜんぜん違うんです。私のおすすめはこの2店舗さん。

フォトカノンさん(東京・戸越銀座)
やさしくて丁寧な仕上がり。お任せにしても色や仕上がりがとにかく綺麗!はじめての人にも親切。

山本写真機店さん(大阪・中崎町)
古き良き町の写真屋さん。ブルーが綺麗な印象。仕上がりの安心感がすごいです!

最後に:フィルム写真は「不便」だから、いい。

1枚撮るのに迷って、「これで合ってるかな…」って思いながらシャッターを切って、現像があがるまで数日ドキドキして。それでも、「あっ、この感じ!」って思える1枚があったとき、なんとも言えない嬉しさがあるんです。
それはたぶん、“自分の感覚”で撮った写真だから。
フィルムって高い。だけど、それは「写真を楽しむための時間」を買ってるようなもの。デジタルにはない、不便だけど愛おしい時間が、ここにはあります。


camellでは、フィルムに挑戦する人を応援しています。また、camelltownに参加するとフィルムカメラのことや現像の相談なども、メンバー同士で気軽に交流しながら楽しんでいます。ぜひ、興味があればご参加くださいね!

PROFILE

編集長 くらそん
編集長 くらそん
田中海月 / くらげそんちょー
・スナップ撮影が大好きです。
・愛用カメラ:Leica Q、GFX50R、Rolleiflex、FUJIFILM KLASSE
・Instagram ID / @mizuki_camell