日常にそっと灯る、光の記憶──フォトグラファー・mikidonさんインタビュー
今回の夜の写真トーク会にご登場いただいたのは、やさしい光と空気感をまとう写真で人気のフォトグラファー・mikidonさん。デザイナーとしての感性と、フィルムを愛するまなざし。その一枚一枚に、暮らしを大切に思う心が映っていました。
目次
写真の入り口は、Photoshopと親友のひとこと
もともとはデザインを学んでいた学生時代、親友がカメラを買ったことをきっかけに、自分も興味を持ち始めたというmikidonさん。「親に就職祝いでもらったカメラが、最初の一歩でした」
近所の花や旅先の空気を写すところから始まり、気づけば写真に夢中になっていったと語ります。
写真が“趣味”から“日常”へと変わった日々
写真仲間が増え、毎週のように誰かと撮りに行くようになったのは、Instagramの第一次ブームの頃。「インスタミート」と呼ばれる撮影会に夢中になった日々が、自身の写真スタイルの基盤に。「撮ったあと、みんなで写真を共有し合う時間も楽しかったです」
フィルムの魅力と、今のスタイル
フィルムを長く愛用してきたmikidonさんは、今でも日常の記録にはフィルムを選びます。一方で、仕事ではソニーのデジタル機を使い分ける。「気持ちで撮る。とにかくたくさん撮るのが、上達への一番の近道。その中に、とっておきの一枚や自分らしさが見つかるようになりました。」
デザインの視点が、写真に宿る
デザイナーとしての感覚は、構図や色選び、余白の使い方にも表れています。「なんとなく“整ってる写真”が好きなんです。あとから見ると、デザインの視点が自然と反映されてたなと」写真を使って自作のZINEやフォトブックを作ることも多く、「撮ること」と「まとめること」の両方を楽しんでいるのが印象的でした。
フィンランドで過ごした特別な時間
mikidonさんにとって大きな転機となったのが、家族で暮らした1カ月のフィンランド生活。「旅ではなく“暮らし”を体験してみたかった。毎日の中で心が動いた瞬間を、フィルムで丁寧に残しました」その後、フィンランド観光局の公式プロジェクト「Helsinki Happiness Hacks」にも選ばれたという経験は、まさに写真と言葉でその先に繋がった出来事だったと語ります。
日常の中にある“特別”を撮る
mikidonさんのテーマは「ちょっと特別ないつも」。
「記念写真というよりは、記録写真という表現が自分のスタイルに近いですね。見返した時に、そこに愛が写っていたら嬉しい」子どもとの何気ない一瞬、グラスに差し込む光、夕方の風。暮らしの中にある“キュン”を逃さず切り取るそのスタイルに、ファンが多い理由が詰まっています。





編集部より
どの言葉も飾らず、やさしく語ってくださったmikidonさん。家族や旅の中にある「小さな光」を大切にする姿勢に、こちらまで心がほどけるようでした。ふと撮りたくなる気持ちを、思い出させてくれる時間でした。
このトーク会の全編アーカイブは、 写真コミュニティ「camelltown(カメルタウン)」のメンバー限定で公開中です。mikidonさんの写真と、やわらかな言葉の世界にもっと触れてみたい方は、 ぜひ camelltown に遊びに来てください。