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オトナ写真部「カメル」

STORY
2017.03.21

フィルムカメラを楽しもう!vol.7 きみとカメラ~ナチュラクラシカ

こんにちは、編集部 たかです。フィルムカメラを楽しもう!シリーズの今回は、わたしの友人、まっちぃのカメラ『ナチュラクラシカ』をご紹介します。
ナチュラクラシカは、小さく軽く、そして優秀なコンパクトフィルムカメラです。

※本記事はまっちぃとたかの2名の写真で構成しています。また、写真は全てナチュラクラシカで撮影したものです。

ナチュラクラシカとの出会い

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フィルム:natura1600 / photo by まっちぃ

まっちぃと、彼女の愛機ナチュラクラシカ(以降、ナチュラと略します)との出会いは、約4年前。2012年にナチュラが生産終了になる間際のことでした。ファーストコンタクトは、そのさらに1年前、彼女のおじいさまが亡くなったときのこと。遺影を探すためアルバムをめくっていたまっちぃは、おじいさまがカメラを趣味にされていたことを知り、そして、フィルムで撮られたモノクロの家族写真に惹かれたのだそうです。その頃はデジタルで写真を楽しんでいたまっちぃ。家族の写真は撮ったことがありませんでした。”フィルムって、まだあるのかな。”   そうして検索していたなかで見つけたのが、「白ナチュラ」と呼ばれるホワイトボディのナチュラでした。

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フィルム:PRO400H / photo by たか

実際に手に取ってみると、ナチュラは軽くて小さくて… 一眼レフに比べたら、なんだかおもちゃのように感じてしまい、その場ですぐに買うことはしませんでした。そして1年後の2012年、ナチュラが生産終了に。まっちぃはその話を聞きつけ、慌てて購入に踏み切ります。そうして出会ったのが、今彼女が愛用しているブラックボディのナチュラです。

ナチュラクラシカの基本性能

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フィルム:natura1600 / photo by まっちぃ

ナチュラクラシカ(NATURA CLASSICA)は、2006年に富士フイルムから発売されました。入れるフィルムは、35mmフィルム。電池を使用するカメラで、フィルムを入れれば自動的にセットしてくれますし、フィルムが終われば自動的に巻き上げをしてくれます。レンズは、広角の28mmから、ズーム機能により標準~中望遠の58mmまでをカバーしています。

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フィルム:kodak ProFoto XL100 / photo by まっちぃ

ズームせず広角で撮影した写真です。
最短撮影距離は40cm。近寄ってさらにズームで寄れば、背景をボカして撮影することも可能です。

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フィルム:natura1600 / photo by たか

近接でズームして撮影しています。
レンズの最小F値は2.8(広角側)~5.4(望遠側)で、明るいレンズを搭載しています。本体重量は155gで、片手に乗るサイズ。気軽にいつでも持ち歩けるし、見た目もキュートですね。そのうえナチュラは、フルオートなので撮影もラクラク。真ん中のしかくでピント位置を決めて、シャッターを半押ししながら構図を決めるだけ。絞りやシャッタースピードは、カメラが適正なものに設定してくれるんです。

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フィルム:natura1600 / photo by たか


ただし、絞りを自分で決められないので、たくさんの人物にピントを合わせたいときなどは、撮り方を工夫する必要があります。例えば、手前の人物にピントが合っている状態では、奥の人物はボケてしまいがちになるからです。その点では、同じコンパクトフィルムカメラの「クラッセW」などは、絞り優先が使えて便利ですね。

ブレ写真を楽しむ

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フィルム:記録用カラーフィルム100 / photo by まっちぃ

まっちぃが教えてくれたナチュラの楽しみ方のひとつは、「スローシャッターでブレ写真を楽しむ」こと。ナチュラの場合、露出が暗すぎると、警告が出て撮影することができません。ただしナイトモードにすると低速でシャッターが切れますので、ブレ写真を撮影できるようになるんです。もちろん、動かさないようにすればブレずに撮影することも可能です。

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フィルム:kodak portra160 / photo by まっちぃ
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フィルム:kodak supergold400 / photo by まっちぃ

ナチュラで多重露光

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kodak portra160 / photo by まっちぃ

多重露光とは、ひとつのコマに複数の写真を焼き付けることを言います。フィルムを巻かずに、一コマに何度も焼き付けられるカメラもありますが、ナチュラはそういった機能はありません。このためナチュラで多重をするときには、一本撮り切ってから、そのフィルムをもう一度装填して一枚目から撮り直す(重ねる)、ということをします。撮影済みフィルムをもう一度装填するには、パトローネからフィルムの端を出す必要があります。これをベロ出しと言うのですが、フィルムピッカーという器具を使って自分で行うことが出来ます。または写真屋さんで、他のフィルムの現像などと一緒にお願いをするのもいいですね。(その場ですぐにやってくれるそうです。)

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フィルム:kodak ultramax400 / photo by まっちぃ

ナチュラはコマズレが少ないため、こういった方法でもきれいに重ねることが出来るのだそうです。ナチュラでの多重は、その日に重ねることはできず、季節をまたぐこともあります。何が写っているかわからない、その感覚もまた楽しいのです。

日付入りで思い出を残す

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フィルム:PRO400H / photo by まっちぃ

ナチュラクラシカは、写真の右下に「年月日」または「日にち+撮影時間」を入れることが出来ます。まっちぃのナチュラ写真には、たいてい日付が入っています。日付を入れるのは何でだろう?また、日付種類の使い分けはどうしているんだろう。質問をしたら、言葉を選びながら、こう答えてくれました。「元々写真に日付を入れるのは好きじゃ無かったんです。昨年写真展に向けて1日1枚写真を撮り続けることになり。その時に、毎日撮るなら時間を残せたらいいなと思って入れ始めたんです。そうしたら、日々の些細な出来事も特別な日も忘れたくないなと思えるようになって…。ナチュラはその気持ちに1番寄り添ってくれるカメラなので、最近はずっと日付入りです。」

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フィルム:PRO400H / photo by まっちぃ

「年月日には、日付の重みがあるように思うんです。だから、記念日とか集合写真など家族や友人と会えた日は、記録として年月日を残しています。日にち+撮影時間にする時は、自分の時間を記録するような感覚です。使い分けは、対相手と、対自分の違い…かな」

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フィルム:記録用カラーフィルム100 / photo by まっちぃ
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フィルム:natura1600 / photo by まっちぃ
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フィルム:lomography400 / photo by まっちぃ

終わりに

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フィルム:natura1600 / photo by たか

たいていのフィルムカメラがそうであるように、ナチュラも今は現行品がありません。中古しかないということは、故障時などに不安な面もありますが(ナチュラはまだメーカー修理も受け付けてくれるようです)、「ものを長く使い続ける」ことの愛おしさがそこにはあります。ナチュラクラシカはわたしにとって、より「日常に寄り添ってくれる」イメージのカメラで、シリーズで記事を書こうと決めたときから、まっちぃに話を聞いてみたいと思っていました。人それぞれに思い入れのあるカメラたち。ときどき、こうして記事にさせていただけたらと思っています。次回は「フィルムカメラを手に入れるには、どうしたらいいんだろう?」そのお手伝いが少しでも出来るような内容でお届けしたいと思います。長々と読んでくださって、ありがとうございました。

たか

PROFILE

編集部たか
愛用カメラ◇Rolleiflex SL66 / Nikon New FM2 / PENTAX sp / olympus pen FT / PENTAX K-5Ⅱ

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